最近、注目されているのがリラクゼーション効果。音楽や動物など、
「気持ちいい」「楽しい」と思えることを取り入れて、脳の活性化を図りましょう。

シニアメイクセラピー協会
Tel.090(6466)3636
http://senior-make.com/

「メイクボランティアをすることで、私自身が癒されているんです」と話すのは、シニアメイクセラピー協会の理事長、青木倫子さん。高齢者施設を回り、メイクやハンドマッサージを行うほか、メイクセラピストの養成にも力を入れています。

「メイクで女性を取り戻すのか、みなさん表情がイキイキしてきます。鏡を握り締めて、自分の顔に見入っている方もいますよ」と青木さんがいうとおり、メイクには外見のみならず、心を豊かにする力があります。

また、回想法を取り入れているのも同協会の特徴。回想法とは過去の出来事を思い出すことで脳が活性化するという、高齢者に対する心理療法です。「昔の思い出を具体的に聞き、楽しかったことを思い出してもらいます。メイクはあくまでもツール。セラピストは、メイクの技術よりもお年寄りの心を和ませることが大切です」

現在は名東区を中心に活動をしていますが、春からは在宅訪問もはじめ、活動範囲も広げていきたいと青木さん。「在宅訪問すれば、その方の状況を把握することができます。これからはお年寄りを地域で見守る時代。私たちが地域とのパイプ役になれるといいですね」とほほ笑みます。ボランティアも随時募集しているので、興味のある人は問い合わせてみて。

今年1月、介護職員として働く2人の青年が「名古屋音楽療法工房」を立ち上げました。活動内容は、音楽をとおして高齢者が笑顔になれる時間を創造すること!

代表の宮島久幸さんは、「みなさんにも音楽に合わせて歌ってもらったり、マラカスなどで演奏に加わってもらったりしています。“療法”というと難しく思われがちですが、参加者が自然と笑顔になり、いつの間にか認知症予防となっている。それが“音楽療法”だと思います」と力強く話します。

参加者に合わせて選曲やテンポを変えたりと、臨機応変に対応できるのも音楽療法の魅力。そして、若い頃にギターを弾いていたというおじいさんや、うれしそうに手を叩いてくれるおばあさんなど、参加者の笑顔が、働きながら活動をしている彼らの原動力です。

「音楽療法に関する専門知識や実践経験は少ないけれど、音楽療法士や臨床心理士といったさまざまな専門士の助言を受けながら、楽しみと笑顔になれる音楽療法をお届けできるよう、活動を通して日々研究しています」

ホワイトボードに貼った歌詞をみながら、童謡や歌謡曲をみんなで歌います

名古屋音楽療法工房
Tel.080(4540)1293
http://www.nagoya-music-therapy.com/

香育のようす。視覚や嗅覚、知覚など五感を刺激することで子どもたちも元気に

「自分の好きなニオイを見つけることが大切」と石原さん。お年寄りにオススメなのはマンダリン(温州みかん)だそう

ハーブなどの植物から摘出した精油(エッセンシャルオイル)の香りで心と体を穏やかにしてくれるアロマテラピー。すっかり日本人の生活に根付いてきましたが、高齢者施設などでもアロマの力を利用するところが増えているといいます。

脳は大きく古脳と新脳の2つに分けられます。新しい脳は理屈に変換されますが、古い脳は理屈ではなく本能。アロマの香りはこの古脳を刺激するため、リラックス効果があるといわれています」と話すのは、「らくらくエコショップ アロマの教室」で講師を務めるほか、香育(こういく)にも力をいれている石原真記さん。

子どもたちに感覚を大事にすることの大切さを教えたくて香育をはじめました。自分のことしか考えていなかった子も、植物をとおして人とのかかわり方を覚えてくれています」とほほ笑みます。

石けんやクリームをつくったり、五感を刺激することができるのもアロマの魅力。「香育は高齢者にもぴったり。また、アロマハンドマッサージをすることで、自分は大切にされているんだと泣き出してしまう方も。スキンシップは人間の根源です。自然の力を借りて、大いにふれあってほしいですね」

らくらくエコショップ・アロマの教室
Tel.052(807)7224
http://www.rakushop.co.jp/aroma/

ペットブームが加熱する中、注目を集めているのが動物を通して癒しを提供するアニマルセラピーです。

「名古屋ではまだまだなじみがないので、もっとアニマルセラピーを広めていきたいですね」というのは、NPO法人「日本アニマルセラピー協会」名古屋本部長の大脇清司さん。同協会では、老人ホームや養護施設、幼稚園、小学校などを訪問するほか、セラピードッグやアニマルセラピストの育成を行っています。

セラピー犬の仕事は、芸をすることではなく、ふれあうこと! 「ほえない」「さわられても嫌がらない」「訪問先で排せつしない」のが条件です。可愛くて賢い犬に老若男女が癒されますが、中でもお年寄りには驚くような変化が見られるといいます。

「最初はこわごわさわっていた方が、大胆になったり、車イスから立ち上がって犬の横にゴロンと寝そべった方もいました。普段笑わない方が笑ったなどと言われると、本当にうれしいですね」

犬のえさ代やシャンプー代など、維持費がかさむため、無料で訪問することができないのが悩みのタネと笑う大脇さん。今後は広報活動にも力を入れていきたいそうなので、まずはホームページをチェックしてみて。

NPO法人
日本アニマルセラピー協会 名古屋本部
Tel.080(3287)3773
http://animal-t.or.jp/
https://www.facebook.com/serapie.nagoya

ヘルパーエッセイ

「こころ美人」

引っ越しをすることになり、これを機会に自分の写真を整理しました。タンスの奥や机の引き出しにばらばらになっていた写真を、年代ごとにアルバムに差しこんでいきます。

輝く20代、子育てに忙しかったけれど、あごのラインがまだきれいな30代。40代のときも、いまの自分から見るとまだまだすっごく若い、若い! ページをめくるごとに老いてゆく自分を見られるのは、50代以上の人間の特権ですね〜。

日々高齢者の方と接してると、みなさん口々に「ほんとうに、あっという間に年をとってしまった」「いつのまにかこんな年寄りになっていた」とおっしゃいます。50代の私もそう思うのですから、80代、90代の先輩がたの気持ちは十分わかります。

そして多くの人は、年をとるスピードにこころが追いついていなくて、その様子やことばがキラッと光って私たちをなごませてくれることがあります。87歳のT子さんのお宅でのこと。「T子さん、次の入浴の日に、ヘルパー見習いの人を同行見学させてもらってもいいですか?」とうかがうと、「いいわよ。その人、女の人よね?」「もちろん、お風呂ですもの、女性ですよ」。T子さん、そのあと少し恥ずかしそうに「若い男の子ならいいのよ…、自分より年上のオジサンにハダカを見られるのは絶対イヤ!」と真顔でおっしゃったので、思わずふきだしてしまいましたが、その気持ちよーくわかります。

いくつになっても女子のこころを忘れないT子さんには、「高齢者」という言葉は似合いません。

私もこれから、「見た目年齢」より「こころ年齢」を大事にしたいもの。写真を撮るときは、今日もとびきりの笑顔で、はい、チーズ!

文/橘はこべ
野鳥とワインを愛する名古屋市在住の介護福祉士。仕事のかたわら、
利用者さんの生い立ちや思い出を聞き取り、文章にすることをライフワークにしています。