運動が大切なのはわかっているけれど、
「時間や道具がない」なんて言い訳していませんか? 
思い立ったときにいつでもできる体操を紹介します。

認知症予防に大切なのは「ずばり、自分の行動を認知すること。とにかく、脳にいろいろな刺激を与えてほしいですね」と訴えるのは、中京大学スポーツ科学部教授、湯浅景元さん。認知症とは、その名のとおり成人になってから起きる「認知機能障害」のこと。「階段は右からあがる、靴は右足から履くなど、自分の行動を常に認知するクセをつけることが一番の予防法。あとは“慣れない脳づくり”が大事ですね」

脳は楽しいことが大好きで、常に新しい刺激を求めているのだそう。つまり、“ひとつのことを極めると刺激がなくなる”というのが湯浅先生の持論。「苦手なことに挑戦することをおすすめします。とことん極める趣味と、三日坊主の趣味、2つ持つのが理想ですね。初めてのことをやって上達している時期は、脳も刺激を受けています。恋愛と同じで、慣れてしまうと刺激がなくなるでしょ(笑)」

“慣れない脳”をつくるためには、五感を鍛えること! カラダはもちろん、目や指を動かすことだといいます。「目は“外に出ている脳”といわれるように、脳への刺激の85%は視覚から入るといわれています。同じように指を動かすことも大事。カラダはもちろん、目や指の体操もお忘れなく!」

そして、認知症予防に効果的な運動はウオーキング。「全力の半分ほどの強度、心拍数なら1分間に100〜120拍ほどの強度でウオーキングしましょう。ほかにもラジオ体操やテニスなど、呼吸が苦しくない程度で行う全身運動であれば、効果が期待できます。それらの有酸素運動に筋力トレーニングを加えれば、さらにOK。足が衰えて運動する機会が減らないよう、転ばぬ先のカラダづくりが大切です」

イスに座って足を組み、左右お互いの足を押し合って7秒、足を変えて7秒。気づいた時に行うと効果的

イスに座ったままウオーキング。意識して腰をひねるのがポイント。普通に歩くよりも筋力がつきます

肩幅で指を立て、目を左右にキョロキョロ、指を上下においてキョロキョロ。緑や遠くを見るのも忘れずに!

紙風船やお手玉は、手も目も使うので、視力トレーニングに効果大

歯磨きは利き腕と反対で。左手で字を書いたりごはんを食べたりと、普段使わない手を鍛えるクセをつけましょう

監修
湯浅景元さん

中京大学スポーツ科学部教授。元気に生きるための運動方法の開発をテーマに研究を進めている。中京大学スケート部部長として、所属している浅田真央、小塚崇彦選手らフィギュアスケート選手の教育にもあたっている。ハンマー投げ金メダリスト室伏広治選手は湯浅ゼミの出身者。主な著書に「老いない体をつくる」(平凡社書籍)などがある
http://kagenohitorigoto.blogspot.com/