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もの忘れ? それとも認知症?
15年後には65歳以上の10%が認知症の推計も

2005年は約190万人(65歳以上の高齢者に対する割合の7・6%)、2010年で約230万人(8・1%)と、年々増え続ける認知症の患者数。15年後の2026年には、65歳以上の約10%となる330万人に達するという推計も出ています。

そもそも認知症の定義とは「いったん正常に発達した知的機能(記憶する、時・場所・人などを認識する、計算するなど)が全般的かつ持続的に低下し、複数の知的障害があるために日常生活に支障をきたすようになった状態」のことをいいます。85歳以上の高齢者の約3割が認知症という統計からも分かるとおり、歳を重ねるとともに認知症にかかるリスクも増えていきます。

とはいえ、ひと言で認知症といってもその原因や症状はさまざま。加齢によるもの忘れなのか、認知症なのかを見極める方法から治療法、予防策までキーワードごとにまとめてみました。

「年のせいか最近、もの忘れがひどくなって…」という言葉をよく耳にしますが、そのもの忘れ、本当に年のせいでしょうか? いわゆる「年のせい」によるもの忘れは、健忘症と呼ばれる自然な老化現象。一方、認知症によるもの忘れは、脳の病気で、一刻も早い治療が必要となります。単なるもの忘れの場合、体験の一部のみを忘れるため、他の記憶から忘れた部分を思い出すことができますが、認知症の場合、体験全体を忘れるために、思い出すことが困難です。例えば、朝食べた食事の内容を忘れるのはもの忘れ、食べたこと自体を忘れるのは認知症だといわれています。

認知症かどうか見極めるのに「最近気になっているニュースは?」と聞くのが有効だと話すのは、はしたにクリニックの端谷毅先生。「最近のニュースを知っているのは、短期記憶に問題のない人、そしてニュースを見る意欲があるということ。昔のニュースをいったり、“そんなことはどうでもいい”などとごまかす傾向にあれば、認知症を疑ってみましょう」

認知症による物忘れ

加齢による物忘れ

体験全体を忘れる
新しい出来事を記憶できない
ヒントを与えられても思い出せない
時間や場所の見当がつかない
日常生活に支障がある
物忘れに対して自覚がない

体験の一部を忘れる

 

ヒントを与えると思い出せる

時間や場所など見当がつく
日常生活に支障はない
物忘れに対して自覚がある

そもそも認知症とは老化による現象ではなく、原因のある“病気”です。そのため、早期発見・早期治療が大切なポイントとなります。認知症は治らないと思っている人も多いようですが、治療や適切なケアを行えば、症状を軽減したり、進行を遅らせることが可能です。「ひょっとして?」と思ったら、まずは医療機関もしくは、市町村の相談窓口などで相談しましょう。

はしたにクリニック院長
端谷毅さん

心療内科・精神科・神経科
はしたにクリニック

0561(33)5380
愛知県みよし市西一色町東25
http://www.hm9.aitai.ne.jp/~hasitani/

高齢者に生きがいと役割を!

85歳以上の人たちの3割が認知症だといわれていますが、でも、7割の人は認知症になっていません。その人たちをどう生かして、役割を持たせるか…。認知症の早期発見や治療ももちろん大切だけど、認知症の人を増やさない努力も必要です。

例えば、高齢者専用住宅の一角に待機児童や、お母さんが朝早くに出勤しなければいけない子どもたちが集えるスペースを作り、そこに住む高齢者が子どもたちの世話をすれば、一石二鳥だと思いませんか。人の役に立つことでいつまでも元気でいてもらう。「ありがとう」と言える環境、言ってもらえる環境を作ることが、一番の認知症予防です。そして、子どもたちに死に様を見せるのも役割のひとつ。そうやって、生命の大切さを次世代に引き継いでいくことで、社会も変わっていくと思います。